有限会社 横溝工務店

住まいと税金の話【第7回】

 

親から住宅資金を援助してもらったら?知っておきたい「贈与税」のこと

家を建てるとき、親や祖父母から「少し援助してあげる」と言われることがあります。
住宅の購入や新築には大きなお金が必要になるため、ご家族からの資金援助はとても心強い助けになります。
ただし、まとまったお金をもらう場合には「贈与税」についてあらかじめ知っておきたいポイントがあります。
実は、住宅を取得するための資金については、一定の条件を満たすことで贈与税が非課税になる特例制度が設けられています。
今回は、親や祖父母から住宅資金の援助を受ける際に知っておきたい、贈与税の基本と注意点についてご紹介します。

親からもらったお金にも税金がかかる?

個人から財産をもらった場合、原則として「贈与税」の対象になります。 たとえば、親から住宅資金として500万円をもらった場合も、基本的には贈与にあたります。
「親子間のお金だから税金はかからないのでは」と思ってしまいがちですが、家族間であっても原則として贈与税の対象となる点には注意が必要です。
ただし、住宅を取得するための資金に関しては、要件を満たすことで税負担を軽減できる特例制度が設けられています。

住宅を建てるための贈与には「非課税の特例」がある

父母や祖父母などから住宅の新築・取得・増改築のための資金を贈与された場合、一定の条件を満たすことで「住宅取得等資金の贈与税の非課税特例」を利用できます。
現在の制度では、2026年12月31日までに贈与を受けた場合、住宅の性能などに応じて以下の非課税枠が設定されています。

  • 省エネ等住宅の場合:最大1,000万円まで
  • それ以外の住宅の場合:最大500万円まで

たとえば、一定の要件を満たす省エネ等住宅を建てるために親から500万円の援助を受けた場合、手続きを行えばその500万円に贈与税がかからない可能性があります。
ただし、非課税が適用されるには、贈与を受ける方本人の条件や住宅の性能、資金の使い道などに細かな要件が決められています。
「住宅のためなら、いくらもらっても税金がかからない」という制度ではありませんので、事前の確認が大切です。

「誰から・何のためにもらうか」で対象が変わる

この特例を利用できるのは、原則として自身の父母や祖父母といった「直系尊属」からの贈与に限られます。
たとえば、自分の親からの贈与は対象になりますが、配偶者の親(義理の父母)からの贈与は原則として対象外です。
夫婦で家を建てる際には、「誰から誰へ贈与するのか」を整理しておくことが大切です。
また、贈与されたお金は「住宅の新築・取得・増改築そのもの」に使う必要があります。
すでに組んでいる住宅ローンの返済に充てるためにもらったお金などは、この特例の対象外となってしまうため注意が必要です。

「非課税の範囲内」であっても申告が必要

ここは特に見落としやすい重要なポイントです。
住宅取得等資金の非課税特例を利用する場合、非課税枠の範囲内の金額であっても、原則として確定申告(贈与税の申告)が必要となります。
申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、所定の書類を添えて行います。
「非課税だから申告は不要」と思い込んで手続きを怠ってしまうと、特例の適用が認められず、後から贈与税が課されてしまうおそれがあります。
住宅建築が決まったら、贈与を受ける時期や手続きの流れを早めに確認しておきましょう。

夫婦それぞれが資金を出す場合と「持分」の注意点

夫婦で協力して家を建てる場合、親からの援助を誰が受け取るのか、そして完成した住宅の名義(持分)をどう設定するかも重要なポイントです。
夫の親からの資金は夫へ、妻の親からの資金は妻へ贈与を受ける形となり、それぞれ個別の贈与として扱われます。
また、実際の資金負担割合と、登記事項証明書に記載する住宅の持分割合が一致していない場合、夫婦間での「みなし贈与」と判定され、思わぬ贈与税が発生するリスクがあります。
建築計画の段階で、出資額と名義のバランスをしっかり整理しておくと安心です。

「もらえるから」ではなく、事前の準備と確認を

親や祖父母からの資金援助は、夢のマイホームを実現するうえで大きな支えとなります。
一方で、贈与税の特例には、対象者や住宅の仕様、申告手続きなどいくつかのルールが定められています。

今回のポイントを改めて整理します。

  1. 親や祖父母からの資金援助も、原則としては贈与税の対象になる
  2. 要件を満たせば「住宅取得等資金の贈与税の非課税特例」が活用できる
  3. 住宅の性能(省エネ性など)によって非課税限度額が異なる(最大1,000万円/500万円)
  4. 非課税の範囲内であっても、税務署への確定申告が必須
  5. 夫婦で資金を出し合う場合は、贈与を受ける人と住宅の名義(持分)の一致に注意する

援助を受けることが決まったら、「お金をもらってから考える」のではなく、契約や着工の前に適用条件や名義について税務署や専門家、工務店へ相談・確認しておくことをおすすめします。
住宅ローンと合わせて全体の資金計画をきれいに整え、安心して家づくりを進めていきましょう。

※住宅取得等資金の贈与税の非課税制度は、税制改正等によって適用要件や期限が変更される場合があります。実際に検討される際は、税理士や最寄りの税務署、または最新の公的情報をご確認ください。


「家は人生の土台。」そんな思いで、今日もコツコツやってます。
北九州市八幡東区の有限会社横溝工務店でした!また次回もお楽しみに。
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