第2回 住宅ローン控除って、実際どれくらい得するの?
マイホームを考え始めると、必ずと言っていいほど耳にするのが「住宅ローン控除」という言葉です。
「税金が戻ってくる制度らしい」「かなりお得らしい」
そんなイメージはあっても、実際にいくら戻るのか、自分にとってどの程度メリットがあるのかは、意外と分かりにくいものです。
今回は、その仕組みと「お得度」の目安を整理してみましょう。
住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した人の税負担を軽減するための制度です。
年末時点のローン残高をもとに計算された金額が、所得税や住民税から差し引かれます。
現在の制度では、年末のローン残高に0.7%を掛けた金額を上限として、その年の控除額が決まります。
年末の住宅ローン残高 × 0.7% = その年の最大控除額
なぜ「0.7%」なの?
以前は1%でしたが、超低金利時代が続く中で「ローン金利より控除率が高い」という逆転現象が生じたため、令和4年の制度改正で0.7%に引き下げられた経緯があります。
「なぜ1%じゃないの?」と思った方は、こうした背景があることを知っておくと理解が深まります。
どれくらい戻る?
たとえば、年末の残高が3,000万円の場合
3,000万円 × 0.7% = 21万円
この21万円が、その年に納めた所得税などから差し引かれるイメージです。
ただし、控除はあくまで「納めた税金から差し引く」制度です。
計算上の金額がそのまま戻るわけではなく、実際の控除額はその年の所得税・住民税の額によって変わります。
たとえば控除額の計算が21万円でも、所得税が15万円しかなければ、所得税から差し引けるのは15万円までです。
残りは住民税から一定の上限まで控除されますが、必ず満額が戻るわけではない点は押さえておきたいところです。
控除の対象となる借入限度額
実は、控除の計算に使える「年末残高」には上限があります。
住宅の性能区分によって、次のように借入限度額が異なります。
| 住宅の区分 | 借入限度額(新築・令和6年入居の場合) |
|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 |
| 一般住宅(経過措置) | 2,000万円 |
たとえば3,500万円のローンを組んでも、一般住宅扱いであれば控除の計算に使える残高の上限は2,000万円までです。
「借りた額がそのまま計算対象になるわけではない」という点は、資金計画を立てる際のポイントになります。
なお近年の制度改正により、一定の省エネ基準を満たさない新築住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外となっています。
これから家づくりを考える場合、住宅の性能も制度と密接に関係してくることを知っておくと安心です。
控除は何年間続く?
新築住宅などの場合、控除期間は原則として13年間です(中古住宅は10年間)。
住宅ローンの残高は返済とともに毎年少しずつ減るため、控除額もそれに合わせて少しずつ小さくなっていきます。
たとえば借入2,500万円・省エネ基準適合住宅(借入限度額3,000万円)の場合を考えてみましょう。
初年度の控除額は2,500万円×0.7%=約17.5万円。
返済が進むにつれて残高が減るため、後半の控除額は徐々に小さくなります。
13年間の合計をならすと、おおよそ150〜180万円程度が一つの目安になります(借入条件・金利・返済方法によって異なります)。
※第1回のシミュレーション(3,000万円の新築戸建て・建物2,000万円)と照らし合わせると、固定資産税・都市計画税の年間負担(10〜15万円)と比べても、控除による恩恵は非常に大きいことがわかります。
繰上返済との関係も考えておこう
「なるべく早くローンを返したい」という方は多いと思いますが、繰上返済をすると残高が減り、控除額も小さくなります。
特に控除期間中は「繰上返済で利息を減らすメリット」と「控除額が減るデメリット」のバランスを考える必要があります。
どちらが有利かはローン金利や個人の税負担の大きさによって異なりますので、具体的な検討の際は専門家への相談が安心です。
住宅ローン控除を受けるための主な条件
住宅ローン控除は、誰でも利用できるわけではありません。代表的な条件として、次のようなものがあります。
- 入居の条件:取得から6か月以内に本人が入居し、その後も住み続けていること
- 返済期間:住宅ローンの返済期間が10年以上
- 床面積:原則50㎡以上(所得条件によっては40㎡以上に緩和される場合あり)
- 所得制限:合計所得金額2,000万円以下
住宅ローン控除は確定申告が必要?
会社員の方の場合、住宅ローン控除を受ける最初の年だけ確定申告が必要になります。
入居した翌年に確定申告を行えば、2年目以降は会社の年末調整で手続きが行われます。
「確定申告は難しそう」と感じる方も多いかもしれませんが、最近はスマートフォンやパソコンからオンラインで申告できるe-Taxも普及しており、以前より手続きの負担はかなり軽くなっています。
住宅ローン控除は、マイホームという大きな買い物に対する国の支援制度です。
ただし、実際に受けられる控除額は
年収(納税額)・ローンの借り方・住宅の性能
といった条件によって人それぞれ異なります。
特に近年は、住宅の省エネ性能が控除額に直結するようになっています。
「どんな家を選ぶか」が、税制面でも大きな意味を持つ時代になってきました。
「この制度があるから大丈夫」と過信するのではなく、家計を助けてくれる制度として正しく理解しておくことが、資金計画や住宅選びを考えるうえで大切なポイントです。
「家は人生の土台。」そんな思いで、今日もコツコツやってます。
北九州市八幡東区の有限会社横溝工務店でした!また次回もお楽しみに。
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