静かに時を重ねた木造家屋が、ふと通りの角に佇んでいる。
かつて誰かの暮らしがあった場所には、季節の風や家族の笑い声が、いまも名残のように漂っています。
けれど年月が進むと、その家がまちの中で危険な存在になってしまうこともあります。
そんな時に活用できるのが、北九州市の「老朽空き家等除却促進事業補助金」です。
対象となる空き家は?
- 昭和56年5月以前に建てられた建物
- 市が「市場での流通が難しく、かつ一定の危険性がある」と判断したもの
古くなって使われていない建物のうち、まちの安全に配慮して解体が必要とされるものが対象です。
誰が申請できるの?
対象となる空き家をお持ちであれば、北九州市に住んでいなくても申請できます。
- 所有者の方、またはその相続人
- 所有者の同意があれば、第三者でも申請できる場合があります
つまり、「実家は北九州にあるけれど、自分は今、別の地域に住んでいる」そんな方も対象となります。
遠く離れていても、思い出の土地をそっと見守ってきた方にとって、まちとの関係をつなぐ機会となるかもしれません。
補助金の内容は?
区分 | 内容 |
補助率 | 解体工事の契約金額または市が定める基準額のうち、低い方の金額の1/3以内 |
上限額 | 30万円/1棟あたり |
対象業者 | 北九州市内に事業所のある解体業者に限る |
家の中に残された家財道具などの処分費は補助対象外になる点も注意が必要です。
申請期間(令和7年度)
2025年5月19日(月)~12月26日(金)まで
※ただし、予算に達し次第終了となります。ご検討中の方はお早めに。
申請の流れ(かんたん版)
- 判定依頼申出書を市に提出(まずはここから)
- 市が建物の「流通困難性」と「危険度」を判定
- 判定後、正式な補助金交付申請書を提出
- 交付決定通知書が届いてから解体工事をスタート!
古い家を壊すというのは、どこか胸の痛むことかもしれません。
でもそれは、記憶を消すためではなくまちの未来に明かりをともすための一歩です。
次にこの場所に芽吹くものがまた誰かの人生に寄り添いますように。
北九州市のこの制度が、そんなあたたかな再出発のきっかけとなりますように。
詳しくは北九州市の公式ページをご確認ください。
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