一年でいちばん寒い時期、「大寒(だいかん)」。
天気予報に「雪」の文字が並ぶたび、私はどこかそわそわしてしまいます。
積もるかもしれないという期待と、積もったら困るかもしれないという不安。
その両方が、胸の奥で静かにせめぎ合います。
ある年の冬、夜中にふと目が覚めました。
窓の外が、いつもより白くぼんやりと明るい。
カーテンを開けると、雪がしんしんと降っていました。
積もり始めたばかりの、まだ誰にも触れられていない雪。
私はいてもたってもいられず、コートを羽織って外へ飛び出しました。
足元には、まだ誰の足跡もありません。
街灯に照らされた雪が、静かに、静かに降り積もっていく。
「この白い世界を、いちばん最初に歩きたい」
そんな子どもじみた衝動に突き動かされて、私は雪の中へと踏み出しました。
けれど、ふと目に入ったのは、一本のタイヤの跡。
それは誰かがここを通った証。
黒い線が、まっさらだったはずの雪を切り裂いているように見えて、少しだけ胸がざわつきました。
さらに進むと、小さな動物の足跡。
それはそれで愛おしいはずなのに、どこか“先を越された”ような、小さな悔しさがよぎります。
もっと、どこまでもまっさらな場所はないか。
私は雪の中を、更に先へ進みました。
すると、暗闇の先にひとつの人影を見つけました。
「まさか」と思いながら近づくと、そこには激しく踏み荒らされた雪の跡。 そ
の真ん中に立っていたのは、私の甥っ子でした。
彼もまた、誰もいない雪の世界に、たまらず飛び出してきた一人だったのです。
深夜の雪道で鉢合わせた、似たもの同士。
お互いの姿を見つけて、私たちは思わず吹き出しました。
まっさらな雪を探していたはずなのに。
その夜、いちばん心に残ったのは、冷たい空気の中で交わした笑い声のあたたかさでした。
大寒は、寒さの底にある“ぬくもり”を見つける季節。
それは、ストーブの火のような熱ではなく、静かな夜にふと誰かと分かち合う、心根の温度のようなものかもしれません。
暦のノート:大寒(だいかん)とは
「小寒」から始まった寒の内も、いよいよこの「大寒」で極まります。
一年で最も寒さが極まる頃 1月20日頃。
二十四節気の最後を締めくくるのが「大寒」です。
文字通り、一年で最も気温が下がる時期。
この厳しい寒さを乗り越えれば、暦の上では春となる「立春」がすぐそこまで来ています。
冬の終わりを惜しみつつ、春を待つ季節でもあります。
この時期にふさわしい過ごし方
- 「大寒の水」をいただく: 大寒の朝に汲んだ水は「寒水(かんすい)」と呼ばれ、雑菌が少なく腐りにくいとされてきました。この水で仕込んだお酒や味噌は格別においしくなると言われています。
- 寒たまごを食べる: 寒さの厳しいこの時期に産み落とされた卵は「寒たまご」と呼ばれ、滋養強壮に良いと珍重されてきました。金運アップの縁起物としても親しまれています。
- 寒造り(かんづくり): お酒や凍り豆腐、寒天など、冷気を利用した保存食づくりが最も盛んに行われる時期です。
寒さが厳しいからこそ、家の中の灯りや人の声がいつもよりあたたかく感じられるもの。
春の兆しを探しながら、どうぞ心穏やかな時間をお過ごしください。
「家は人生の土台。」そんな思いで、今日もコツコツやってます。
北九州市八幡東区の有限会社横溝工務店でした!また次回もお楽しみに。
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