有限会社 横溝工務店

小さな楽しみ―街の色が変わりはじめる

 

10月になると、ふだん通る道の景色が少しずつ変わりはじめる。
でもそれは、いわゆる「紅葉」のような劇的な変化ではありません。
もっと静かで、控えめな移ろい。
それでも確かな、「あ、季節が進んでいるな」と気づかせてくれる変化があります。

たとえば、フェンスの隅にからまる蔦が、緑から少し赤茶に色づいていたり、通りすぎる植え込みの葉先がすこし乾いて、陽の光をやわらかく跳ね返していたり。
落ち葉だって、最初はたった一枚。
でも気がつくと、歩く道の端っこに、秋の色が重なりはじめている。

そして最近は、いつもの道を歩いていて、ふいに鼻に届く匂いに顔をしかめることもあります。
「あっ……これは銀杏の実か」と。
近くにある銀杏並木の下では、知らぬ間にいくつもの実が落ちはじめていて、目ではなく“鼻が先に秋を察知する”ような日もあるのです。
強烈なあの匂いに、そっと道を変えてしまうときもあるけれど、それでも「ああ、ちゃんと10月なんだ」とどこかで思ってしまう。
街って、こうして、 五感のどこかひとつから季節を忍び込ませてくるのかもしれません。

歩いていて、ふと色や匂いに目や鼻が留まること。
それが、私にとっての10月の小さな楽しみのひとつです。


「家は人生の土台。」そんな思いで、今日もコツコツやってます。
北九州市八幡東区の有限会社横溝工務店でした!また次回もお楽しみに。
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