有限会社 横溝工務店

小さな楽しみー季節の花を眺める

 

夏の花には、どこか凜とたたずむような静けさがあります。
照りつける日差しの下でも、風にそよぎながら静かに咲くその姿は、すっと心が澄んでいくような気がします。

夏のはじめに私が毎年楽しみにしているのが、「半夏生(はんげしょう)」の花。(↑の写真)
この間も話題にしましたが、白く染まった葉が花びらのように見える不思議な姿で、ちょうど夏至から数えて11日目あたり、「半夏生」の頃に咲きます。

この花との出会いは、茶道のお稽古の床の間。


掛け軸とともに飾られていた半夏生は、控えめながら強く印象に残りました。
白と緑のコントラストが、部屋の空気をすっと涼やかにしてくれるように感じたのを覚えています。

そして思い出されるのが、薄紫の朝顔です。

小学校の頃、毎朝花が咲くのを楽しみにしていた記憶をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
つるを伸ばし、朝に開き、昼にはしぼむ…その姿が、まさに暑さの中にひっそりと宿る夏の美しさの象徴のようです。

もうひとつ、静かな美しさといえば――蓮(はす)。

朝の光を受けて水面から静かに咲く姿には、清らかな強さと神聖な空気が漂います。

部屋に季節の花を一輪飾るだけで、暮らしの中に、“いま”という時間がそっと満ちていくような気がします。

触れる、飾る、眺める――五感で味わう7月の小さな楽しみです。